2023年8月7日 藍染めの魅力、ジャパン・ブルーに引き込まれてしまいました

先週、地元では4年ぶりのお祭りが開催されました。
みこしを担いでいた方々の衣装に見惚れぐらい素敵でした。
その着こなしの中、はっぴ、股引、脚絆、地下足袋などは藍染製品でした。

藍染めの歴史は、紀元前2000年のエジプトに遡ると言われています。
エジプトの古代都市テーベの古墳から出土したミイラに巻かれていた麻布が
藍染めとされているのです。
紀元前3世紀の中国では、
思想家・儒学者の荀子が「青は藍より出でて藍より青し」と書き残しています。
日本で藍染めがいちばん盛んに行われたのは、室町時代末期だそうです。
中国明の時代から木綿の種が入ってきて、
麻より温かく、肌触りのよい木綿はどんどん広がり、
庶民も木綿の衣服が着られるようになりました。

1874年(明治7年)に来日したイギリスのアトキンソンさんが、
藍染めの衣服を着ている日本人が多いことに驚いて、
藍を「ジャパン・ブルー」と表現したことはよく知られています。
現代においても、藍染めはワークウエアに活用されており、
作務衣、庭師、鳶職、大工などの作業着、手甲、脚絆、地下足袋ともあり、
幅広い年齢層に愛用されています。
藍を染めることにより、さまざまな薬草として効果があると期待されてきたからです。

しかしながら、近年、藍染めは大量生産できず、製造技術の伝承が困難なこと、
さらに、生産者の高齢化が進行していること等により、
製造社が激減し、藍染め製品は高価なイメージが強くなり、
日常的に気軽に購入できるものではなくなっています。
藍染めを永く伝承していくためには、
質の高い藍染商品、時代に適合したデザインの提案、
日常生活で藍染めと触れ合うことが大切だと思います。

日本列島は南北に長く、海に囲まれてさまざまな色で溢れています。
私は藍色が好きで、藍という色をあらためて考えると、
藍色は青い海に囲まれた島国の自然と繋がった色でもあります。
ふとまわりを見れば、そこかしこに藍色が潜んでいます。
一見地味ですが、
「ジャパン・ブルー」はやはり今も、日本が世界に誇れる色と言えるではないでしょうか。